7月6日にシナ樹皮の採取をしましたので、そのレポートです。
朝方は、少し雨が降っていましたが、参加者の集合と同時に雨が上がり始めました。
参加者は11名、県外の茨城県・栃木県・新潟県の方も来ています。毎回思いますが、どこから情報が入るのか不思議なんです。
今回の採取場所は、「栃の王国」のある浅岐地区です。
20世帯ほどの小さな集落ですが、「栃の王国」があるおかげで年間80名近くの方が浅岐地区に訪れます。景色の美しさや山・川の音色にうっとりし、また地域の方の温かみを強く感じるようです。
見学会の参加者にリピーターが多いのは、とてもうれしいことです。
シナ樹皮の採取には、樹木の伐倒が必要です。例年であればスタッフが伐採し、その後参加者の皮むきが始まります。
今回は、参加者から伐採をしたいと希望がありました。その方は、趣味で間伐をしているというので
スタッフは驚いていました。
スタッフのお手本なしに、躊躇もせずにチェーンソーを入れるので、これまたすごい!
普段伐らない広葉樹なので、難しい点もあったようですが、見事に切り倒しました。
切り倒したシナの木を1.2mぐらいに切りつめをします。
皆さんでチェーンソー体験をしました。初めて使う方も多く、振動や重さに驚いていました。
切りつめしたシナにナタで筋を入れ、切れ込みにバールを入れ皮をむきます。
今年は、時期がすこし早かったのか、ものによっては剥きにくい所がありました。採集の時期に関しては勉強が必要です。
参加者の中に、山形県のシナ織に詳しい方がいましたので、シナ布で使う場合の材料採取の方法の説明もありました。
シナ布の場合は、長い方が材料として適しているので細かくせずに、外側の樹皮も現場で剥いで持って帰るそうです。地域や用途によって、全然違うことを知りました。どちらも受け継がれてきた文化があり、試行錯誤してきた結果が今に至っていることと思います。
沢山採取できたので、山から車まで持っていかなくては行けません。さてどうしましょう、分担して抱えて持っていくと思いきやフジ蔓を山から見つけてきました。ロープがなくても現場で調達し、背負って持ち帰るようにしました。
地元の方にしてみたら、当たり前の光景かもしれませんが、参加者の方は喜んで背負ってくれました。
採取した皮は、約一ヵ月ほど池などの水場に浸けておきます。編み組細工で使用する内側の樹皮を取りやすくするために。
今回の作業はここまで。
ちょうどお昼に終わったので、お弁当はスタッフの自宅で。すでにテーブルの上には山菜料理や煮物がいっぱい。浅岐地区の冷たい天然水も汗を掻いた体には、まるでビールのようにごくごくと入っていくし。最高のおもてなしありがとうございました。
森のしごと舎に戻る前に、山ブドウ細工を作るおじいちゃんやヒロロ細工の先生にお話を聞いてイベントは終了となりました。
参加者の皆さま・浅岐地区の皆さま・スタッフの皆さま、お疲れ様でした。
一日で色々なことを体験し、山の魅力を存分に味わうことができたと思います。
山の恵みは、循環することで本来の豊かさを取り戻します。
失われつつある「自然ともに生きる知恵」、できるだけ数多く残していきたいと思っています。
今後も継続的に、イベントを企画しております。「栃の王国」へ一度遊びに来てください。
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シナの樹皮の洗いは8月3日(土)に行います。
集合は森のしごと舎です。夏場の暑い時期ですので、午前中で終了いたします。
川の中に入って、作業します。長靴やサンダルをご用意ください。
参加希望の方は、ご連絡ください。E-Mail iwabuchi*aizukiri.or.jp (メールを送る際は*を@に変えてください)
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